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[7048]   管理人      2022/09/26(月) 07:30
 20220917ala 森山威男ジャズナイト 第一部
 


渡辺ファイアー、中山拓海(as,ss)川嶋哲郎(fl,ts)中路英明(tb)魚返明未(p)冨樫マコト(b)相川瞳(perc)森山威男(ds)

いつもの追っかけ3人組の片割れと一緒に自宅を車で出発。alaには開場と同時刻に到着。とてもいい会場だなぁといつも思う。もう22回目なのか?スタートは2001年だったような・・・まだalaが出来る前の文化会館、ジョージガゾーンが来られなくなって、小川もこさんが司会をしてらしたなと。どっか原稿を探せばレポートがあるはずなんだが。私は書くだけ書きっぱなしなのでいけない。初回から全部出席してますけど、全部のレポートは書いてないかな。今回のレポートは頑張ろう。

3年ぶりなのかな、この時期に通常開催は。真っ暗な中でメモが取れない。先日オットが暗い中でもメモが取れるというボールペンを誕生日にくれたので持って来たけどちょっと使うのがはばかられる・・・。メンバー登場、森山さん「コロナだのの暗い話ばかりで、みなさんここにお越しになるのにさぞ勇気が必要だったでしょう」からアリとキリギリスの話に。そうかパンフレットにも載っていたし、準備していたネタだったのだな。これはパンフレットの文言をあとで載せた方が間違いない。

寂しい骸となるミュージシャンです。トロンボーンは中路英明。テナーサックス川嶋哲郎。アルトサックス中山拓海。アルトサックスソプラノサックス渡辺ファイアー。パーカッション相川瞳。ベース冨樫マコト。あっという間にここでの演奏も20年となりました。なんとこのベースの冨樫さんは21才ですって(会場から驚きの声)。平均年齢を下げてくださってありがとうございます。キリギリスのような意気ををご覧下さい。

川嶋さんが前に出てきてマイクを持つ、第一楽章Birthの始まり。「ここはどこなんだろう。自分の手、自分の足」とラブリーから何度も書いてるからもういいか?それとも書くべきか?と思いながらメモを取る。でも今日はラブリーともピットインとも違って、フロント陣よりも前に出て譜面台もなしで語ってる、ちょいと意地悪目線でいうと全部暗記というか覚えられたのか、こちらの筆記能力と試してみようじゃないか!なんて一瞬思ったがそこまでやったら喧嘩売ってるみたいだな。舞台はいつものように左端に森山さん、その後はベースの冨樫マコトくん。フロント陣は向かって左からファイアーさん、中山拓海くん、川嶋哲郎さん、中路英明さん、右端にピアノの魚返明未さん。その後ろ中央のステージに相川瞳ちゃん。

川嶋さんはシャツだかコートだかっていう上着を羽織っている、なんだか今まで見たことない感じの衣装。で、ちょっとダークな眼鏡でチョイ悪親父風(って古いか)。森山さんはグレーっぽいシャツで。ファイアーさんはソプラノを持っている、拓海くんが前に出てくる。ステージの前から戻った川嶋さんとファイアーさんが歩み寄って肘タッチ。ファイアーさんがソプラノを持って前に出てくる。ファイアーさんはいつもの通りアーラ舞台でのサービス精神満タン。ベルの先が私の方を向いて居るぞ、川嶋さんがにこにこしながら聴いている。キュ〜〜と拓海くんが吹くとファイアーさんがウォウ!オウ!と声をかける。瞳ちゃん楽しそうに踊りながら赤いバチというかスティックを振り回す。瞳ちゃんが昨日Facebookにアップしてくれた写真を見て、「こういうセッティングなんだ〜」って思ったのがなるほど!いや、こりゃ一番演奏者からしたら特等席、演奏しててもたのしいだろうな、私の顔見えたかな?


舞台真ん中で二人のバトル、拓海くん負けてなるものかって感じで吹きまくる、ちょっかい出し合って中央の取っ組み合い、猫の喧嘩みたいだ。舞台映えするなぁ。二人でのけぞってトランペットみたいに吹く、終わってハイタッチ。明未くんのピアノソロになる。森山さんは爆音を立てながら明未くんを見ている。フロント陣が一歩下がってピアノとドラムの間の視界を遮らないようにしている。聴いているフロント陣も楽しそう。バックはブルーがメイン。さて、エンジンがかかってきたぞ。のけぞって頭を振りまくって半泣きのような表情で、顔を上げて合図してホーンが入る、拍手!ああ、アンサンブルかっこいい〜。場内明るくなって一旦ブレイク。暗くなりベースにスポットが。上から他のメンバーの方にはブルーのライトが降り注ぐ。ベースの弦を力強く弾いている。う〜ん、大学ジャズ研の年齢だよねぇ、すごいねぇ。森山さんはドラムに手をついて冨樫くんを見ている。フリーソロからラインに入り森山さんを見る。

 
[7049]   管理人      2022/09/26(月) 07:31
 20220917ala 森山威男ジャズナイト 第一部の2
 


第二楽章Extensionの始まり。中路さんが前に出てくる。フロントのマイクを取って定位置に戻る川嶋さん。中路さんは黒ジャケット、ブルーのTシャツ、えんじ色のパンツ。力強い音だなぁ。ドラムが暴れ出す、両手を大きく広げて溜めのあるショットスバらしいソロだ、タイミングを窺う川嶋さん、振り返って合図する中路さん。川嶋さんのシャツはグレーで、サックスに隠れてるけどサックス吹きのシルエットが浮かんでいるようだ。川嶋さんのソロの8分音譜のフレージングに合わせて森山さんが合わせて返す。これも見事なソロだ。悲鳴のようなソロに代わる。ウ〜、キュ〜!からゆったりとした感じになりテーマのモチーフが入る、全員フロントに出てきて第二楽章のテーマに。もう、かっこいいなぁ。森山さんの方へ向かって叫ぶが、あれ、フロントに置いてあったマイクさっき後ろにもっていっちゃたじゃないの。で、テナーでキェーと叫ぶ、拍手!拓海くんもキェ!と叫ぶが声がかわいすぎる(笑)。あ、ペンがかすれてきた・・・先日のピットインでもペンのインクがなくなったので、予備もちゃんと持って来たのだが。ペンを探している間に面白いことが起きていたらしい(ファイアーさんが何かお茶目なことをしてたみたい)。中路さんにソロが。拓海くん実に楽しんでる顔。ファイアーさん、Song of the Soul !と叫ぶ。森山さんが2,4拍でスティックを打つ。ファイアーさんソロ、半音ずつ上に転調を重ねてソロのフレージング。瞳ちゃんも明未くんも手拍子、全員でなんかコミカルに。「Song of the Soul !」と叫ぶ、ファイアーさんのエンタメ性は大舞台だとホントに発揮されるなぁ。川嶋ソロ、瞳ちゃん舞台の上で赤いスティックを振りかざして楽しそうに踊りまわる。冨樫くんいいベースライン弾くねぇ。ファイアーさんにソロが移る。黒のスーツとラメのシャツ、ストラップがキラキラ光る。吹く吹く、魅せるなぁ〜!ドカーンとシンバルを森山さんが叩くと拓海くんがワォ〜と叫び、ファイアーさんのキュ〜!に拓海くんがこんどはコブシを振り上げる。ファイアーさんを見て「スゴい〜!」って言っていたみたいだな。ドラムソロへ。マコトくんも後でなんか言ってるぞ。バスドラ連打、ドガガガガ、ドンタカタ、ドンタカタ・・・スネアドラムを小さいロールで鳴らしてし〜んとなる。川嶋さんが吹き始めテーマはアフロリズムに。拓海くんがソロを始める。中路さんがクラーベ?川嶋さんもファイアーさんもフロント陣は何か小道具を持ってバッキングを付ける。ファイアーさん踊る踊る。川嶋さんは拍ごとに1,2,3,4,と刻んでいるが中路さんはン、カン、カン、カン、カン、とラテンリズムを打つ。ファイアーさんもっと前に出て踊ればいいのに〜色っぽい動き。振り返る拓海くん、足に木で出来たようなパーカッションを巻き付ける。イェ〜ウォ〜、イェ〜ウォ〜と合唱、中路さんはギロ?を鳴らす、うまいなさすがラテンの帝王。ファイアーさんと川嶋さんは手持ちマイク、拓海くんはサックスのマイクを口に持って来て歌う、ラテンリズムに乗ってファイアーさんと拓海くんが向かい合ってステップを踏む。ファイアーさんがソロを瞳ちゃんに振る、瞳ちゃん「ええっ?」って顔をする、ん?予定になかったの?楽しそうにくるくる踊りながらいろんなパーカッションを鳴らしながら踊り回る瞳ちゃん、森山さんに向かって叩いて森山さんにリズムを出させる、舞台の上で叫ぶ、おおなかなかやるなぁ。カウントを出す森山さん、そしてフロント陣がテーマを吹いて第三楽章Convictionが終わる。拍手。

冨樫「ベースの冨樫マコトです。よろしくお願いします。ちょっと時間を頂いています。僕はベーシストだけど同時にみんなの音を聴いてるんですけど。それに自分の音が足されて一つの音楽になるのは楽しいことだなと思っています。中毒っていうか」いいぞ〜!と会場からかけ声がかかる、「ありがとうございます」と返す。マリンバで瞳ちゃんがBGMをつける。「森山ナイト21年目、僕も21年目の人生なんですけど、ここでこうして演奏が出来ることをうれしく思っています」最初の森山ジャズナイトの時に生まれた子がもうこんな大人になってベースを森山さんと対等に弾くようになってるんだぁ・・・。

 
[7050]   管理人      2022/09/26(月) 07:32
 20220917ala 森山威男ジャズナイト 第一部の3
 


人生の終章、第四楽章Full Fillment。テーマは静かなアンサンブルが美しい。ベースソロ。明未くんのピアノがベースソロに絡む。マコトくんが息を大きく吸う音が時折聞こえてくるけど、他は息してないんじゃないかっていうくらい集中して弾いてるように見える。顔を上げて中路さんにソロを。少し暗めになり、ブルーのライトに全体が照らされ、スモークが舞台全体に広がっている。森山さんがブラシでつけていく。トロンボーン、ピアノ、ベースのしっとりした感じがとてもいい。川嶋さんがテーマのモチーフ(ピットインのレポートにも書いたけど、MISIAのYou are everythingって歌詞のところにちょっと似てるかな)を入れてソロに。バックがアンサンブルを付けて盛り上がっていく。マイクを持つ川嶋さん。「終わりたくない!ただひたすら生きたい!わかり合いたい、分かち合いたい、認め合いたい!」と声を張り上げる。感極まって声に詰まり、涙を浮かべているようだ。「いびつで異端の贈り物、それが自分!叫びたい!」がんばれ川嶋さん。「Song of the Soul !」ファイアーさんが叫ぶ、拓海くんはサックスのマイクを取って、中路さんはトロンボーンを横にしてベルに付いているマイクに向かって歌う。「Soul !!」ファイアーさん腕を振り上げて「Song of the Soul !」感動的なエンディングへ。場内明るくなる。

川嶋さんに話を振る森山さん、森「川嶋さんに何をしているのが一番楽しいのかって聞いたら、練習しているときですって。何かをするための練習でしょ?」川「練習するのが楽しいんです」森「こういう人がいるんですね」川「まあゲームみたいなもんだって思ってやってますんで」森「勉強も、これくらい面白いものはないっていう人がいるくらいですからね。冨樫さん21才でプロで多くの人に認められて。初めてベースを弾いたのはいつですか」冨「8才くらいで兄貴の友達が持ってたベースを触らせてもらって、ちょっとしたらじいちゃんにジャコパストリウスのCDをもらって聴いたんですけど。そしたら母方の親戚一同からエレキベースをプレゼントしてくれたんです」森「あなた生まれも育ちも札幌でしょ?札幌じゃウッドベースを教えてくれる人いないでしょ」冨「いるんですよ」森「いつ上京したんですか、親は反対したんじゃないですか」冨「反対はしなくて。してる人もいたかもしれないですけど。母親が行ってらっしゃいって。勝手にやって、っていう感じでしたけど応援してくれてたんですけど」森「住むところとかどうしたんですか」冨「最初数ヶ月は知り合いの家に居候して、アルバイトして住むところ見つけて」森「親が裕福なんですね」冨「まあそうかもしれないです」森「良かったね。夕べ一緒にお酒を呑んだんですけど、おじさん達ともお酒を呑む機会があるでしょう、気をつけてね」冨「お互いに」場内どっとウケる。森「作曲、テナーサックス、ヴォーカルは川嶋哲郎でした。しばらく休憩します」

しみじみとイイ感じで終わったのに、なんかね〜、この組曲の解説はないんかい!


 
[7051]   管理人      2022/09/26(月) 07:33
 20220917ala 森山威男ジャズナイト 第二部その1
 


2部
休憩後登場した拓海くんに目が釘付け!お色直ししてきた、赤のスーツに!で、冒頭から今度は魚返明未ピアニストからのスピーチ。「昨年小ホールの収録から、1年半ぶりに帰ってこられてうれしいです、お時間を頂きましたのでなぜピアノを弾いてジャズをやっているのかをお話ししたいと思います。4才の時姉の付き添いでピアノ教室に行っていたときに『弟さんもどうですか』と言われて習い始めました。姉に負けたくなくて、ピアノが一台しかないので取り合いになって、練習しているわけじゃないのに思っていることをピアノで弾いて、今で思うと作曲みたいなことをしていたかもしれません。蝶の名前を覚えるのが好きで、オオムラサキって、ひらひらした感じの音を弾いていたと思います。高校生の時にモダンジャス研究会がある高校に行って、人と演奏し始めて初めてそれまで蝶の名前とか、自分の部屋の中で遊んでいる延長、あ、自分の部屋がなくてピアノの前が自分の部屋みたいな感じだったのが音楽ってもしかして自分の部屋だけでやるもんじゃなくて他の人とやるものだってことを知ったのかもしれません。どこか古い時代の人ともつながっているということとか、新しい空間ができるということを今も日々確かめながら演奏しています。きょうもこの全員で演奏するのが初めてなんですけど頑張って演奏したいと思います」

全員座っていて、明未くんにだけスポットが当たる、ピアノの美しいイントロ、渡良瀬だよね。ベースが入り、ファイアーさんが立ちあがりソプラノと川嶋さんがフルートを構えているが、しばらくピアノとベースのデュオ。どうも森山さんがドラムの前に居なかったみたい。森山さん、進行表を取りに行ってたのかな、ドラムセットに座ったら後ろから係の方が紙を持ってやってきた。ドラムがワルツを付ける。フルートとソプラノサックスのテーマ。サビから拓海くんと中路さんが入る。渡良瀬は何百回も弾いたけど、今の楽器のテナーサックスで吹けと言われたら迷うなぁ。だって、ピアノだとテーマは黒鍵だけ弾いてればいいんだもん。ベースソロへ。ん?これ、進行してるのかしてないのか?サビに行ってる?明未くんのバッキング聴いてるだけだとよくわかんないや。で、次いでファイアーさんのソプラノの音、うう、きれいな音色。胸の中でなにかがキュッという。あ、コーラスでやってくれてる、サビに行ってくれた!このシーンをみんなに見せたいなぁ〜、いい音だなぁ〜。自由自在に吹いているけど広がりがあってぱあっと明るくなる。拓海くん赤のスーツに黒のブーツ、黒地に赤のバラの模様、まぁ舞台に映えること!川嶋さんなぜか一人とても楽しそうにうたってる、ああ、いいなあ音楽。いいなぁ、楽しいなぁ、ほれぼれするステージ。みんなでアンサンブル付けてくれてる、テーマに戻る。瞳ちゃんが鳴らす鈴の音がきれいだ。ドラムがタカドンドン、パーン!でエンディングへ、じわっとくる。あ、そういえばジャンケン大会はいつも最後だったっけ?休憩時間じゃなかったか、って記録してる人間が忘れてるんだからしょーもない。まぁ、終わってからだろう。

サンライズが始まる。サビでぱっとライティングが明るくなる。瞳ちゃんキリッとした顔で楽しそうにあっちこっち行ったり来たり、ライトがめまぐるしく変わる。ベースの音がやたらでかい。ピアノソロへ、本当に良い感じだなぁ、楽しい。森山さんニコニコ笑いながら体を左右に振ってタイトなドラミングを繰り出す。明未くんのソロ、ピアノを叩きながら森山さんの方を時折見上げ、歯を食いしばってピアノを叩きまくる。オーウォー、オーウォーのコーラスが入る、そろそろ終わりかと思うのだけれど、額から汗がしたたり落ちるのにピアノを叩きまくる明未くん、うひひ。川嶋さんのソロ、う、スゴい、なんか渾身というか「出せる音もスケールも何もかも全部ぶつけてやるぜ!」みたいな意気込みが伝わってくる。森山さんズドドドドドのバスドラ連打、赤いライトが場内を照らす。う、すごい吹きまくりなのにここからだ、さあ森山さんに向かっていくぞ。バトルだ〜!もうこのド迫力、ラブリーでもピットインでもalaでも、本当にいつも真剣勝負だ!ぱっと川嶋さん振り返り、ケーコタン、ケーコタン、ケーコ、ターーーン!(実はこれ、実際聴いたことない方は何のことやら、だと思います。うちのビッグバンドでキアズマやるときに森山さんのタカタドン、の合図でケーコタンが入るのですが、全く音楽的な言語では説明ができず、やってみてから体得できるんです。まぁ、山下トリオのフリー演奏の境地に近いものがあるのでしょう)


 
[7052]   管理人      2022/09/26(月) 07:34
 20220917ala 森山威男ジャズナイト 第二部 その2
 


ここで瞳ちゃんのモノローグが始まる。「私ごとの話をします。小学生の時に将来の夢を聞かれた時に、白い大きな家でたくさんの犬を飼うこと、って答えたんですけど。そこ、笑うところですか?かわいいじゃないですかぁ!現実は3LDKに独り暮らし2部屋は楽器で占領されてます。普通の女の子の幸せって聞かれますけど(どうもヒルナンデスって番組に出たらしい)」ピアノが台詞のバッキングを付けているが、「ピアノ寂しいですねぇ!」明未くんが慌ててバッキングの和音をマイナーからメジャーに変更、瞳ちゃんが笑う。「昨日車に楽器を積んで中央道走ってました。こんな生活をいつまで続けられるかと思うんですが、多分好きなんですね、打楽器が好きで音楽が好きで、人間と音楽と楽器がとても好きなんです。いつか楽器が運べなくなって最後に打つ楽器はなんだろう、って。人生最後の音がこんなんだったらいやなんですけど」って、すご〜く小さい四角い木製の(?)楽器を叩く。大丈夫、瞳ちゃんはめっちゃ大きいドラを飛び跳ねながら叩く気がする・・・ってそれは死なないな。「皆さんの前でこんな話をさせて頂くのは初めてなんですけど」

川嶋さん楽器を持って後に寄ろうとしたらピックアップマイクのケーブルがサックススタンドに引っかかってなんか慌ててる。瞳ちゃんと明未くんのフリーソロ、うっとり。いろんな楽器をランダムに繰り出してくる。あ、この二人というか森山さんを含めれば3人で大学の同窓生だ。何にしろ瞳ちゃんの笑顔と踊り具合とで楽しんでいるかどうかが良くわかる。中路さんが入ってくる、リフは「上行系の古畑」って、あ〜ごめんなさい、バンド内の暗号!2小節のクロマチックスケールをどの音からでもいいので4分音譜で4音吹き、その後8分音譜で・・・という決まり事です(合ってるかな・・・いや、やってみないとバンド内部では????記号が飛びまくる。今日もバンド練習で今までやったことのない新人さんに説明するのが一苦労、でも経験あるバンドメンバーは『何とかなるわ〜』みたいな)。
さて、8才の時に買ってもらったというエレベの出番!赤白で、目立つところに新宿ピットインのステッカーが貼ってあるのがまたかわいい。ロックリズムとなる。中路さんのソロ!ファイアーさんが手拍子を要求する。カウベルを律儀に拍ごとに叩く川嶋さん、ファイアーさんはシェケレで音を出す。拓海くんが踊ってるところにファイアーさんも一緒になって踊る、この二人の動き好き〜!中路さんのソロのバックリフがまたちゃんと決まる。

拓海くん「やっと僕の出番が来ました。赤いスーツに着替えて目立とうと思ってたんです。僕は中学一年の時にデイビッドサンボーンとかチェットベイカーを聞いてて、吹奏楽部に入って。静岡からサックスを買いに父親と上京したんですけど、父親はサンボーンのサインを見に行きたかったんではないかと。東京にレッスンに通うことになったんですけど、富士市にケルンっていうライブハウスがあって、気づいたときにはジャズにのめり込んでいました、授業もあと何時間欠席したら単位がなくなるかなんて計算してました。親が聞いたら怒ると思うんですけど」ベースがバックで付けている。「大学進学を考えたときにアメリカの某音楽大学を受験して、奨学金が出たら行こうと思ったんですけど出なくて、国立音楽大学に進学したんですけどそこで山下洋輔さんや渡辺香津美さんや小曽根真さんに指導を受けることが出来て。出会ったあとに知ったんですけど山下洋輔さんから僕のことを(森山さんが)聞いたって」森山さんが腕を組んだままうんうんと頷く。「2011年大学に入ったときも東日本大震災があって、果たして大丈夫かって思って、そういう状況の中で自粛しろって言われて、自分のことを考えるきっかけになりました。コロナが起きてしまってあの頃に似てるなって。それでもこんな演奏をできる素敵な機会を頂きました、ピンチが来るといつも思っています、これから先もどんな困難がやってきてもいつも乗り越えて行けるって」森山さんがサンライズのリズムパターンを出す、タカタドン!拓海くんのアルトソロから始まる、中路さんはどこかで喋るのかなぁ、いや振られても喋らない気がするしなぁ。拓海くんの演奏をニコニコ笑って見守るファイアーさん。明未くん半泣きだか半笑いだかわからない顔でバッキングを頑張ってつける、エレベのサンライズもイイ感じだぞ。森山さんはそろそろ止めろって顔をしてるんだけどねぇ、いやそんなの気づいても無視していいですよ(笑)、そろそろソロ終わり?ってタイミングで他のホーンセクションも構えてるけどまだ突っ込む拓海くんを応援してるんだわ〜♪なんとかソロが終わったけどここでブレイク。

ファイアーさんがサンライズの途中にもかかわらず喋りだす。森山さんがブラシでバックを付ける、冨樫くんがエレベからウッドベースに持ち替える。「人は一人じゃ生きていけません、何事もそうです。(中略)出来るやつに任せればいいんです。仲間には尊敬と感謝でいっぱいです」「何を与えて、どういう人とつながっていくのか。音楽は人を癒やします、元気にします」はい、ありがとうございます、私の所属するビッグバンドでのゲストコンサートマスター業もお引き受けくださってますし。「今この瞬間、演者と過ごすことが出来ている。時間はひとが作ったもの、今この瞬間がすべて」ファイアーさんと森山さんのデュオが始まる。川嶋さんも拓海くんもじっとデュオを見守っている。後からウォーオーとコーラスが入る、叫びながら吹くファイアーさん。森山さんがリズムパターンを出す。森山さんのパカン!でサビからのリフが入る、コーラス終えて拍手!森山さんソロ、みんなが見守る。リズムパターンを渾身で叩きまくる森山さん、うゎ〜、うゎ〜、大変!こんなに叩いて大丈夫か?固唾を呑んで見守るドラムソロ。あっけにとられてメモを取る手が止まる。長いソロ、タン、タカタドン!パカン!瞳ちゃんドラをドカーン!と一撃。


 
[7053]   管理人      2022/09/26(月) 07:34
 20220917ala 森山威男ジャズナイト 第二部その3
 


「はぁ、はぁ」場内から拍手と笑い声。「渡辺ファイアー!中山拓海!川嶋哲郎!中路英明!魚返明未!相川瞳!冨樫マコト!・・・・・ありがとうございました。もうイヤっていうくらいやりました。川嶋哲郎の詩にもありましたね。やめたくない、生き続けたいって。若い頃はやってる仲間がソロを長くやると自分のソロが短くなるんじゃないか、早く止めろって思ってましたけど。今は自分の所にもソロが来るんじゃないかってびくびくしています。でもソロを短くなんてできません。がんばって、がんばって、がんばってやりました。ありがとうございました!ありがとうございました!」

やっとこさっとこ、っていう感じでドラムから立ちあがってメンバーが下手へ捌ける。アンコールの拍手が続く。

森山さんが戻ってくる、「alaで、今年が最後かって言って、またやっちゃいました。またやっちゃうっていうのはジャンケン大会です。参加して下さる方はお立ち下さい」と恒例のジャンケン大会が始まる。しかし、何回やっても最後の最後で森山さんに負けるかあいこになってやり直し、5 回やってもだれも勝者が出ない!「勝って下さいよ〜」6回目かな、最後の2人にオットが残った!さすがにここでまたイチからやり直しだと時間が・・・で、二人勝ちになった。で、景品は何かと思ったらスティック1組。え〜、毎年スネアとか豪華なものが出たりするのに・・・・それでなくてもサイン入りドラムヘッドは必須でしょう?と思ってみたりする。が、オットは喜んでいる。

「最後の曲、やりましょうか」でメンバーが戻ってくる。森山さんたらあれだけヘロヘロになってたのに、ジャンケン大会になると元気になっちゃうんだよなぁ。「みんないろんな経験を話してくれてよかったです。私はジャズミュージシャンになりたかったのに行く学校を間違えまして。大学時代にいろんな人と出会って、人の表情とか仕草とか見ながら『あの人何を考えてるんだろう』って考えるようになりました。曲の途中でソロが終わるとお客さんのところに行って話してたりタバコを吸いに行ったりしてるのに戻ってくるとぱっとまた吹いたりして『あ、聴いてたんだ』って驚いたりして、人に関心を持つようになりました。今日はみなさんのご苦労の数々を知ることが出来ました。どうしてこの人は叫んだり踊ったりするんだろうって」ファイアーさんが笑う。「今晩はありがとうございました」ブルーのライトに照らされ、グッドバイの明未くんのイントロメロディーが美しく響く。ペンを走らせる音もはばかられるくらい。ノートのページをめくるのを、ホーンアンサンブルが入るまで待つ。サビをファイアーさんが、終わりの8小節を川嶋さんが吹く。明未くんソロとなった。拓海くんうっとりした顔をしていたと思ったら大きな目を左右にやり「イエ〜」と一言、表情がクルクル変わるのが見ていて楽しい。森山さんがウ〜と歌う。ファイアーさんのテーマサビ、アンサンブルがしっとり美しい。川嶋さんが残りの8小節、ブラスで暴れまくる、ひぇ〜、もう嫌って行ってたのに叩いちゃうんだねぇ〜。ああこの感動、タカタドンタカタドン、タカタドン、バーン!まだ曲終わってないのに拍手始めないでほしいなぁ・・・。

「渡辺ファイアー!中山拓海!川嶋哲郎!中路英明!魚返明未!相川瞳!冨樫マコト!また会いましょうね」手を振って去って行く、瞳ちゃん涙目。ファイアーさん客席の方に歩いてきてなんとまたファンサービスのパフォーマンス、さすがだ。感動のステージだった。森山威男ジャズナイトあと3回やったら25回、森山さん80才だ!ずっと続けて欲しいな・・・。



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