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[6898]   管理人      2021/01/04(月) 22:19
 2021新春ピットイン2日目1部その1
 


2021年1月3日新年ピットイン2日目(初日同様メモからの書き起こしですので、MCの内容が抜けていたりニュアンスが違っている可能性があります。ご容赦下さい。)

ホテルでおせち料理を食べた後、友人と皇居ラン。その後箱根駅伝を見ながらずっと1日目のライブレポートを書いていたら、なんとか初日のレポートを書き上げてアップすることができた。
今日も客席数は減らしてあるもののほぼ満席状態。18時ぴったりに暗くなり永武さんと森山さんが登場。森山さんと永武さんの目が合うと、ジャーン!おや意表を突く1曲目はミナのセカンドテーマだ。マレットでシンバルからタムを順に鳴らし、ブラシに持ち替える。黒のマスクに白いレースの3分袖のブラウス、プリント柄のロングスカート。足元はグレーのスニーカー。今日もピアノに森山さんの腕が映り、永武さんの肩からスティックを持つ腕が生えているみたいで面白い。今日のライトはオレンジ色と赤色。バックに青が少し入っている。うぉ〜、激しい応酬。頭は上下に動くが時々鍵盤から目を離して森山さんの方を見る。苦しそうな表情、高音から低音に鍵盤をかき鳴らしてソロを終える。森山さんのブラシソロ、マスクしてたら苦しかろうに・・・叩きまくりでソロを終えるかと思ったがそこに参戦する永武さん。引きまくったあと手を休める。森山さんの腕の動きとシンクロして頭が上下する。森山さんがトーンダウンするとそこに低音のトレモロが入りテーマを響かせる、おお、圧巻だ!森山さんはブラシのお尻でシンバルとタムを連打、バシーン!と切る、場内拍手拍手!

「ようこそおいで下さいました。はぁ、はぁ・・・。えー、たかがドラムですから、そう心配したことじゃないです。はぁ。この半年くらいは家にばかりいて、椅子に座ることも珍しいくらい寝そべってばかりいたので、こうやって東京まで出てくるとどうなることかと思って心配していたんですが、こうして一曲やると元の通りに戻ってきます」ぱちぱちぱち。「形状記憶合金ドラマーっていうんですかね」わはは!森「永武幹子さんです。最初になんかやりたい曲はって訊いたら『ミナのセカンドテーマ』って、そんな過激な曲を。山下洋輔のトラがいつでもできますね。永武さんとはもう3回くらいやりましたよね」永「はい、今日で4回目です」森「ああよかった、記憶が確かで。素晴らしい成長ぶりですね、最初やったときはこれくらいだったでしょ?」と1mくらいの高さを手で指す。永「身長ですか」笑い。森「暮れには名古屋のLOVELYでいっしょにやりましたよね。まだお若いんでしょ」永「はい!って、はいって言って良いのかな」森「まだ30にはなってないでしょ見たところ」永「ありがとうございます」森「そりゃあそうですよ、私も同じ27,8くらいの時がありました。山下トリオが大ブレイクしたころでしたね、半年ごとに3回くらいヨーロッパに行きました。ミュンヘンとかで歩いていると『Takeo!』なんて呼ばれるんですよ、そりゃあ猿みたいのが3人で歩いていると目立ちますよ。その頃はあまり日本人もいなかったし。街を歩いてショーウィンドーなんか見るんですよ、そうするとカッコイイ洋服とかをみながら、そこに写っている坂田が不思議な生き物に見えてくるんです。周りの人が白くて背が高いから、自分たちが黒くて小さい不思議な生き物に見えてくるんです。僕と坂田二人でよく街を歩きましたのでよく覚えています」このあたりは山下さんの本にも描写が出てきますね。森「永武さんは良いですね、姿形が良いですから」永「ありがとうございます、いえいえそんなことありませんよ」森「山下洋輔に『顔が大きくて良いなぁ』って羨ましがられましたが、褒められているっていう気がしませんでした。(共演する)皆さんがいかに成長しているかを見られますが、逆ですね、私は衰えていることを残念に思うんですが、じゃあどうしたらいいんだ、どうしようかなんって考えた事はないんです。今日のことも最初はどうしようかって考えると、寝られなくて寝られなくて、しょうがないから寝ちゃいましたけど。少しはジャズっぽいものをやりましょうか」

ころっと変わってBye Bye Blackbird。1コーラス永武さんが弾くと継ぎ目で森山さんがズダダズダダと繰り出す。いや、バスドラが絶えず鳴り響いて空間を埋めている。うゎ、すごいドラミングだと思ったら腕を止めておちゃらけ、楽しそうだ、余裕だな〜。永武さんは左手のベースラインを弾きながら右手は縦横無尽、スゴイピアノだなぁ。おや、ドラムソロがないんだ、うまくまとめた!


 
[6899]   管理人      2021/01/04(月) 22:19
 Re:2021新春ピットイン2日目1部その2
 


森「ご自分のバンドではスタンダードもやるんですか?」永「はい、山下洋輔さんの曲も」森「なんか共通点があるんですか」永「私が好きっていうことです」笑い、森「そうかぁ、そりゃぁ(そういう着目点に)気がつかなかった。山下洋輔トリオがやってた頃は子どもだったでしょ?子どもでもない・・・」永「そうですね・・・」場内から「生まれてない」って声が、永「そうですね」森「そうか、50年も前ですよ、そうなんだ、そんなになるんだ・・・・う〜ん」と初めて気がついたように!森「えらいことですよ!国から賞がいただけるんじゃないでしょうか、山下洋輔ももらったんでしょう、目録もくださるんでしょうか、すごいですね。」永「山下さんがもらわれるんでしたら森山さんもいただけるんでは?」森「もしもいただけるとしてもどうやって要らないって断ろうかと思って(笑)。いや、そんなものもらえません、ついぞ来ないです。永武さんはピアノ以外にもとくいなものはあるんですか?例えば料理とか」永「トランペットはやってました、ブラスバンドで」森「わたしもトランペットから入ったんですよ」永、場内「へえ〜」森「どうもああいうのは姿形が良くないとね。私みたいな脚が曲がって背の低いものがやっててもカッコ良くないんでそれでやめました」永「ああ」と納得したように、場内から笑い。森「坂田明以外は、言っときます永武さんが言ってたって。次の曲は『おじいさんの古時計?』」永「大きな古時計」森「どなたが作詞なさったんでしょうね」永「もともとアメリカの曲を和訳したみたいです」Wikipediaにはいろいろ書いてあって面白いです〜(https://ja.wikipedia.org/wiki/大きな古時計)森「何か日本の曲って言ってもアメリカの曲なんですね、あなたは民謡とか演歌とかでてこないですよね、赤城越えとか」永「あ、知ってますよ、『あなたと越えたい』ですよね」森「まあいいです、古時計の方が健全ですよね」永「そうですか?」森「おおきなふるどけい、じゃお願いします」

静かなイントロが始まったとたんに私の携帯が大音量で鳴り響く、ギャー!切っておいたつもりだったのに・・・頭の毛が逆立つ、顔から火が出る、管理人失格・・・ひどいなぁ、大反省。しょっちゅうかけてくる父親から(出ないけど)の電話が鳴るかもと思わなかったのが失敗だった。テーマからソロに。森山さんがブラシをつかってつけていく、スネアを鳴らしながら歌う森山さん。ん?エンディングにかけ、手が止まった、この前のLOVELYでやったときと演出が違うね、忘れちゃったのかな?拍手。

森「ピアニストらしいですね、情緒があって良いですねこういう曲は」永「はい」森「永武さんは練習しないなんていう日はあるんですか」ちょっと考えてから永「大晦日は弾かなかったかなって」森「年に1日か2日ってところですか!ピアニストは特に練習しないと指が動かなくなるって言いますもんね、ハノンとか練習なさるんですか」永「2才の頃から朝起きるとピアノノ前に座るっていうのが習慣だったみたいなんですよ」森「すごいですねぇ!私なんか練習は高校で大学に入るまででやめちゃいました。プロになってから練習するなんてことはついぞなかったですね、練習の成果なんかプロが聴かせるんじゃないなんて偉そうなこと言ってました、そういう習慣がついてるんでね。家にいると妻や娘に『たまには練習したら』って言われるんです。でもね、イメージトレーニングはするんですよ、なにか音楽を聴いたりすると、ここはこうやってこう盛り上げてなんて考えてるんです」もっともらしいこと言ってるけど・・・森「計画性とか理性的なところがピアニストにはなきゃだめですよね」永「そうなんですか」森「感情が優先する方なんですか?」永「今も楽しくて」森「では理性的でない感情一発で行きましょう」

わ、「クレイ」だ!前の席のYAMさんが大喜びしているのが背中で分かる。この大音量の曲だったら電話が鳴っても気がつかれなかったかも、なんていやいや。すごいわ、見えないけど拳でぐりぐりやってるのが分かる。この爆発ぶりはおみごと!森山さんケーコタンを繰り出す、一発目は一瞬遅れたが次からはぴったり合う、リムショットの連打ソロをのけぞって楽しそうに見る永武さん。大喜び、って感じ。タイミングを見計らう、ドカンバシンドタンバン、グシャ!わはは、決まった!いやぁすごい思い切りの良さ、あっぱれ!

森「永武幹子さんです・・・はぁ、はぁ。・・・・はぁはぁ言ってる姿をしばらく鑑賞して下さい。しばらく休憩させて頂きます」で一部終了。




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